一人暮らしでペットを飼うのはアリ? 3つの余裕があるかで判断
COLUMN
2025.10.07
一人暮らしをしていて「ペットがいたらもっと生活が楽しくなりそう」と思うこと、ありますよね。しかし同時に「自分以外に世話をする人がいない状態で飼っても大丈夫なのか」と不安にもなると思います。
そこでこの記事では、一人暮らしでペットを飼っても大丈夫なのか、どんなペットなら一人暮らしでも飼いやすいのかなどを解説します。ペットを飼うか迷ったときにぜひ参考にしてくださいね。
一人暮らしでペットを飼うのは難しい?

そもそも一人暮らしでペットを飼えるのか、気になりますよね。まずはペットの飼育に関する実態調査や意識調査の結果を参考にしながら、一人暮らしでペットを飼うイメージを膨らませましょう。
工夫は必要だが一人暮らしでもペットを飼うことは可能
一人で暮らしながらペットを飼うことは可能です。犬猫などのペットを飼っている人のうち1割以上は単身世帯であるという調査もあります。
もちろん、一人でペットの世話をするためには、生活においてさまざまな工夫が必要になります。しかし「一人暮らしだからペットは飼えない」ということはないので、早々に諦める必要はないといえるでしょう。
飼い始めて後悔する人もいるから判断は慎重に
「一人暮らしでペットを飼うと後悔する」「飼わないほうが良い」という意見を耳にすることがあるかもしれません。
残念ながら、ペットを飼い始めて後悔する人は一定数います。ペット保険相談サービス・MOFFMEを運営する株式会社Wizleapの調査「2020年4月以降にペットを飼い始めた人の意識調査」によると、回答者(121名)のうち15%が「ペットを飼って後悔したことがある」と回答しました。
■ペットを飼い始めて後悔することの例
- エサ代など予想以上に費用がかかった
- 部屋の散らかし、毎日の散歩など自分が想像していた以上に世話が大変だった
- 夜中に活動する動物で音がうるさかった
飼いたい動物の生態や飼育にかかる費用などをしっかり調べないまま「かわいいから」「一人暮らしが寂しいから」と安易に飼うとペットも自分も不幸になってしまいます。ペットを飼うかどうか迷ったときは勢いで決断せず、命を預かる責任を重く受け止めて慎重に判断しましょう。
一人暮らしでペットを飼うのはかわいそう?

一人暮らしでペットを飼う場合、2人以上いる世帯と比べるとペットに向き合う時間や手間がかけられないことが多いです。そのため「一人暮らしでペットを飼うのはかわいそうだ」という意見もあります。
■「一人暮らしでペットを飼うのはかわいそう」といわれる理由
- 留守番の時間が長いとペットが寂しい思いをするから
- ペットを遊ばせる時間が十分取れず刺激不足や運動不足になりやすいから
- 人の目が少ないとペットの体調の変化に気づきにくいから
これからペットを飼おうと思っているなら、ペットがかわいそうな状態にならないようしっかり対策や工夫をすることが重要です。
世話の余裕があるライフスタイルなら大きな問題はない
ペットを飼ううえで大切なのは、何人で暮らしているかではなく「ペットが健康的に生活できる環境があるかどうか」。一人暮らしであっても、自分の生活に加えてペットの世話もできるくらいライフスタイルに余裕があるなら、大きな問題はないといえます。
一人暮らしでペットを飼うか迷ったら「3つの余裕」があるか確認しよう

一人暮らしでペットを飼うか迷ったときは、今の自分のライフスタイルを振り返り、次の3つの余裕があるか確認しましょう。
■一人暮らしでペットを飼う前に確認すべきこと
- ペットの世話に充てる「時間の余裕」があるか
- ペットが寿命を迎えるまで生活・健康を守れる「お金の余裕」があるか
- 自分の生活が多少不自由になっても世話を続ける「気持ちの余裕」があるか
それぞれ、具体的にどんなことを確認すべきか解説します。
1.ペットの世話に充てる「時間の余裕」があるか
ペットを飼うと、以下のような世話をするために時間が必要になります。今の生活スタイルでこれらの世話の時間を確保できそうか考えてみましょう。
■毎日または定期的にする必要がある世話
- エサやり
- 散歩
- トイレ掃除
- ペット用スペースの掃除
- 遊び
試しに、上記の世話の時間を1日のスケジュールに組み入れてみると、ペットを飼った場合の生活のイメージがしやすくなりますよ。
2.ペットが寿命を迎えるまで生活・健康を守れる「お金の余裕」があるか

責任を持って最後までペットを飼うためには、時間だけでなくお金も必要になります。特に、一人暮らしの場合は自分の収入だけでペットの生活・健康を生涯守っていかなければなりません。
■ペットを飼い始めてからかかるお金の項目
- エサ代(例:フード代・給水器の購入費用)
- ケア代(例:トリミング代・爪とぎなどの購入費用)
- 消耗品(例:トイレの砂・ペット用おむつの購入費用)
- 電気代(例:エアコンの使用料金など)
- 医療費・保険料(例:ワクチン代・通院費・手術費など)
- その他災害など緊急時に必要な費用
まずは「(飼いたいペットの種類) 費用 年間」などのキーワードで検索し、上記の項目について1年間でどれくらいの費用がかかるのか調べてみましょう。そして自分の今の収支状況やペットの平均寿命などと照らし合わせながら、問題なく飼うことができるか計算してみてくださいね。
3.自分の生活が多少不自由になっても世話を続ける「気持ちの余裕」があるか
ペットを飼い始めると、癒しが得られて毎日の生活が楽しくなります。しかし、それと同時に今までの生活に比べて不自由に感じる場面が出てくるのも事実です。
そのため、多少の不自由さを感じてもしっかりペットの世話を続けられるような「気持ちの余裕」があるか、一度冷静に考えてみましょう。
■ペットを飼うと不自由になることの例
- 長時間の外出や旅行に行きにくい
- ペットの毛や臭いに悩まされる
- 夜間の騒音で熟睡できない
- 気軽に引っ越しできない
- ペットが高齢になったときに介護が必要になる
飼いたいペットが決まっている場合は、ブログやSNSなどで実際の飼育体験談や飼って後悔していること・大変なことなどを調べてみるのがおすすめです。
一人暮らしでも飼いやすいペット7種

一人暮らしでペットを飼う場合、比較的世話をしやすい動物を飼うのがおすすめです。そこで、「ある程度一人で留守番できる」「適切に清掃・換気すれば臭いを抑えやすい」など一人暮らしの生活に向いているペットを7種類選びました。
■一人暮らしでも飼いやすいペット
- ハムスターなどの小型げっ歯類
- インコなどの小型の鳥類
- 金魚などの水生動物
- トカゲなどの爬虫類
- ウサギ
- 猫
- 小型犬
それぞれの動物の特徴や飼うときの注意点などについて、くわしく解説します。
1.ハムスターなどの小型げっ歯類

ハムスターやモルモットなどの小型げっ歯類は、体が小さいため比較的省スペースで飼うことができます。特にハムスターはエサ代などの飼育費用も安価で済み、鳴き声や臭いも気になりにくいため、一人暮らしでも飼いやすいと人気です。
■小型げっ歯類の動物
- ハムスター
- モルモット
- デグー
- チンチラ
- ファンシーラット
ただし小型げっ歯類の動物は夜行性で夜中に騒がしく動き回ったり、温度変化に弱く一年中エアコンを付けておく必要があったりする種類もいるため、飼いやすいとはいえ事前に飼育方法をしっかり調べておくことが大切です。
2.インコなどの小型の鳥類

小型の鳥類は、ケージの中で飼うことができるため広い飼育スペースを用意する必要がなく、一人暮らしの人に向いているペットといえます。ほかの動物と比べると臭いもあまり気になりません。
■小型の鳥類
- セキセイインコ
- オカメインコ
- コザクラインコ
- アキクサインコ
- 文鳥
- ジュウシマツ
鳥類は、1日数分〜1時間程度の放鳥(ケージから出して部屋のなかで自由に飛ばせること)が推奨されます。また、鳴き声が大きかったり羽根が散らかったりするなど苦労する場合もあります。
3.金魚などの水生動物

水生動物は鳴かないため、騒音で近隣の人に迷惑をかける心配がありません。また、散歩したり遊んだりといった世話が必要ない点も飼いやすい理由の一つです。
■金魚などの水生動物
- 熱帯魚
- 金魚
- メダカ
- カメ(水棲種)
- ウーパールーパー
ただし水生動物の場合は、水の交換や水温チェックなど、水槽の管理はこまめにする必要があります。
4.トカゲなどの爬虫類

トカゲなどの爬虫類は、鳴かないうえに行動も比較的おとなしいため、静かに生活することができます。さらに、散歩も必要なく匂いも少ないため、一人暮らしの生活に合っている動物といえます。
■トカゲなどの爬虫類
- ヒョウモントカゲモドキ
- トカゲ
- ヘビ
爬虫類は自分で体温を調整できない変温動物であるため、部屋の温度・湿度の管理が非常に重要になります。
5.ウサギ

ウサギは鳴き声がほとんどなく、アパートでの飼育がしやすい動物です。特に、ネザーランドドワーフなど小さなサイズのウサギなら、飼育スペースが限られている部屋でも飼うことができます。
■小さいサイズのウサギの例
- ネザーランドドワーフ
- ホーランドロップ
- ライオンラビット
- アメリカンファジーロップ
- イングリッシュアンゴラ
ただしウサギはデリケートな動物であるといわれていて、湿度や温度の調整に気を付けたり、騒音の少ない環境を用意したりと生活上の工夫が必要になります。
6.猫

猫は、ペットとして非常に人気の高い動物です。犬に比べて散歩の必要がなく自立心も強いため、ある程度留守番の時間があっても寂しくなりにくい傾向があります。
■猫の種類の例
- アメリカンショートヘアー
- ロシアンブルー
- ブリティッシュショートヘアー
- マンチカン
- スコティッシュフォールド
ただし、猫は爪とぎをするため部屋の壁やソファなどがボロボロになる場合があります。また抜け毛が多く部屋の掃除が大変だったり、鳴き声やトイレの臭いが気になったりする人もいます。
7.小型犬

犬は、人懐っこい子が多いためペットとしてとても人気があります。あまり飼育スペースをとらない小型犬なら、一人暮らしの部屋でも飼うことができますよ。
■一人暮らしでも飼いやすい小型犬の例
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- ビションフリーゼ
- トイプードル
- パグ
- チワワ
- マルチーズ
- ミニチュアダックスフンド
ただし、犬は毎日散歩をさせる必要があったり鳴き声が大きかったりするので、一人暮らしでアパート住まいだと日々の世話やしつけに苦労することがあります。
また、どのような動物を飼う場合でも以下の3つの点は必ず守るようにしましょう。特に、賃貸規約の確認はペットを飼い始めてからでは遅いので注意してください。
■事前に知っておきたい!ペットを飼う際の注意事項
- 賃貸規約の事前確認チェック(ペット可の物件か、頭数・種別、原状回復の有無、防音・消臭に関する事項など)
- 留守番対策(見守りカメラ、自動給餌器の設置などの必要性。不在時間の短縮や調整など)
- 緊急時の預け先の確保(親族や友人、ペットホテルや信頼できるシッターの確保)
一人暮らしでペットを飼うのは責任重大! 慎重に判断したうえでお迎えしよう
この記事では、一人暮らしでペットを飼っている人の実態や飼うか迷ったときの考え方などを紹介しました。
一人暮らしで飼いやすい動物も紹介しましたが、どんな動物でも、飼うと決めたからには最後まで大切に世話を続けなければなりません。命を預かり育てることは、責任重大です。簡単に考えず、時間・お金・気持ちにしっかり余裕があるか確認してからお迎えするようにしましょう。