一人暮らしの防災グッズ48点をリストで紹介!購入時の注意点も解説

COLUMN

2025.12.08

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一人暮らしで災害に遭ったときに頼りになるのが「防災グッズ」です。しかし、適当に防災グッズを揃えてしまうと、いざ災害が発生したときに「まったく役に立たなかった」「必要な物が入っていなかった」など後悔するケースも少なくありません。

そこでこの記事では、一人暮らしの人が用意しておくべき防災グッズをリストでまとめて紹介します。防災グッズを購入する前に知っておきたい注意点や、防災グッズの準備以外にもやっておくべき災害対策も解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。

一人暮らしで災害に備えるならまず知っておきたい!防災グッズの3タイプ

防災グッズの準備というと「防災リュックに必要な物を一式入れておく」というイメージがあるかもしれません。しかし実際のところ、防災グッズには用途の違いによって3つのタイプがあります。

■防災グッズの3タイプ

  1. 自宅を離れて安全な場所へ避難する際に持ち出す「防災リュック」
  2. 外出中に災害が発生した場合に役立つ「防災ポーチ」
  3. ライフライン復旧まで自宅で過ごす際に役立つ「在宅避難セット」

ここからは3つの防災グッズについて、それぞれの用途や入れるアイテムの例を解説します。

1.自宅を離れて安全な場所へ避難する際に持ち出す「防災リュック」

防災リュックは、以下のように自宅に留まるのが危険な状況で、避難所など安全な場所へ避難する際に持ち出す物です。

■防災リュックが必要になる場面の例

  • 地震によって建物の倒壊や火災の危険性がある
  • 津波が自宅まで来る可能性がある
  • 大雨による洪水で自宅が浸水する可能性がある

防災リュックのなかには、たとえば非常食や着替え、衛生用品など、避難した先での生活で役立つアイテムを入れておきます。

災害時は車や公共交通機関が使えず自分で荷物を持ち運ばなければならない場面が多くあります。そのため、自力で無理なく運べるサイズや重さのものを用意しておくことが重要です。

2.外出中に災害が発生した場合に役立つ「防災ポーチ」

防災ポーチは、外出中に災害が発生した際に安全な場所まで問題なく避難できるよう、普段から携帯しておく物です。

■防災ポーチが必要になる場面の例

  • 通勤や買い物などの途中で被災した
  • 旅行中に災害が発生した
  • 交通インフラが止まって外出先から帰宅できない

防災ポーチのなかには、携帯を充電するためのモバイルバッテリーや、日常的に服用している常備薬、避難所にたどり着くまでの食料などを入れておきます。

普段からカバンに入れて持ち歩く物なので、一つひとつのアイテムは軽量かつコンパクトなものを選び、必要最低限のものだけ厳選して入れておく必要があります。

3.ライフライン復旧まで自宅で過ごす際に役立つ「在宅避難セット」

在宅避難セットは、自宅は安全であるものの災害の影響で生活インフラが止まってしまった場合に、自宅で生活を続けるための物です。

■在宅避難セットが必要になる場面の例

  • 災害で停電や断水が発生した
  • 道路が通行できず日用品の購入が困難

在宅避難セットとしては、断水時に給水所で補給した水を運ぶポリタンクや、ガスや電気が使えない状況でも調理するためのカセットコンロなどを用意しておきます。

在宅避難の場合はアイテムを持ち歩く必要がないため重量については心配する必要ありませんが、部屋の収納の容量にも限りがあるため、インフラが止まった状況で役立つ汎用性の高いアイテムを優先的に揃えていくことが大切です。

一人暮らしの防災グッズ48点リスト

一人暮らしで用意しておきたい防災グッズを合計48点リストアップしました。防災リュックに入れておきたいアイテム(26点)、防災ポーチに入れておきたいアイテム(13点)、在宅避難セットとして揃えておきたいアイテム(9点)に分けて紹介します。

防災リュックに入れておきたいアイテム26点

防災リュックは、自宅から避難する際や避難先での生活に備えてさまざまなアイテムを入れておく必要がありますが、無理なく運べるサイズ・重さに収めることも大切です。

そのため、まずは防災リュックに必ず入れておきたいアイテム17点を紹介します。

■防災リュックに必ず入れておきたいアイテム17点

  • 1日分の水(1日500mlペットボトル×4本が目安)
  • 1日分の食料(缶詰・栄養補助食品など水やお湯がなくても食べられる物)
  • 1日分の携帯トイレ(1日7回分が目安)
  • 懐中電灯
  • 携帯ラジオ
  • 救急セット
  • トイレットペーパー
  • 着替え(下着・洋服の1セット)
  • 常備薬
  • 貴重品(家の鍵・財布・通帳・印鑑・身分証など)
  • 現金(小銭・千円札など細かい現金)
  • モバイルバッテリー
  • 乾電池
  • 粘着テープ
  • 軍手
  • スリッパ
  • 防寒具・雨具

上記のアイテムをリュックに入れてもまだ重さや容量に余裕がある場合は、避難所での生活をより快適にするために以下のようなアイテムも入れておくのがおすすめです。

■防災リュックに余裕があれば入れておきたいアイテム9点

  • ゴミ袋
  • 洗面用品(歯ブラシ・歯磨き粉など)
  • ドライシャンプー
  • タオル
  • 耳栓
  • 筆記用具(ペン・ノート)
  • マスク
  • ウェットティッシュ
  • 消毒用アルコール

防災ポーチに入れておきたいアイテム13点

日常的にカバンに入れて持ち歩く防災ポーチには、荷物が重たく感じたりかさばったりしない範囲で以下のアイテムを入れておくのがおすすめです。

■防災ポーチに入れておきたいアイテム13点

  • 携帯の充電器・バッテリー
  • ミニライト
  • ホイッスル
  • 携帯トイレ
  • アルミブランケット(防寒・防雨用)
  • マスク
  • ウェットティッシュ
  • 小銭(10円玉や100円玉を多めに)
  • 絆創膏
  • 常備薬
  • 飴やエナジーバーなど
  • 大切な人の連絡先のメモ
  • 重要書類(身分証明書や通帳など)のコピー

防災ポーチのアイテムは、モバイルバッテリーや飴など、防災に関係なく普段から持ち歩くような物もあります。まずは今の自分の荷物に足りていない物を確認して、少しずつアイテムを増やしていきましょう。

在宅避難セットとして揃えておきたいアイテム9点

在宅避難セットに必要なアイテムは、以下のようにガスや電気、水などのライフラインが停止した場合でも生活するための物です。特に水や食料、携帯トイレは最低でも3日分以上用意しておきましょう。

■在宅避難セットとして揃えておきたいアイテム9点

  • 3日〜1週間分の水(飲料用・調理用として1日3.0Lが目安)
  • 3日〜1週間分の食料
  • 3日〜1週間分の携帯トイレ(1日7回分が目安)
  • 紙皿(断水時の食器として活用)
  • ラップ(なるべく洗い物が出ないようにする)
  • 万能ナイフ
  • カセットコンロ
  • ポリタンク(給水車の水を持ち運ぶ用)
  • 電池

一人暮らしの女性が用意しておくべき防災グッズは?

災害時には、避難先で「生理用品が不足していて困った」「プライバシーがあまりなく犯罪に巻き込まれそうで怖い」といった悩みを抱える女性は少なくありません。

そこで、これまでに紹介したアイテムにプラスして、以下のような生理用品や防犯グッズなどを用意しておきましょう。

■一人暮らしの女性が用意しておくべき防災グッズ

  • 生理用品
  • サニタリーショーツ
  • おりものシート
  • 中身の見えないゴミ袋
  • 防犯ブザー
  • 大きめのストール(避難所での着替え用)

一人暮らしで防災グッズ購入時に注意したい3つのポイント

一人暮らしではじめて防災グッズを揃えるときは、次の3つの注意点を頭に入れておくと後悔をグッと減らすことができますよ。

■防災グッズ購入時に注意したい3つのポイント

  1. 一気に揃えようとせず最低限必要なものから少しずつ買い足していく
  2. 持ち運びやすいサイズ・重さのアイテムを選ぶ
  3. 防災セットを買う場合はアイテムの内容・質を事前に確認する

それぞれのポイントについて、具体的にどのように防災グッズを選んでいけば良いのか、詳しく解説します。

1.一気に揃えようとせず最低限必要なものから少しずつ買い足していく

防災グッズとして用意すべきものは非常にたくさんあるので、一気に揃えようとすると結構な金額がかかります。さらに、焦って一気に買い揃えると「これは買う必要がなかった」と冷静に中身を見直したときに後悔することも少なくありません。

そのためまずは、災害時に最低限必要な水や食料、携帯トイレなど、上記で紹介した防災リュックに必ず入れておきたいアイテム17点」を揃えましょう。そのあとで、自分の生活スタイルに合うものを少しずつ買い足していくのがおすすめです。

2.持ち運びやすいサイズ・重さのアイテムを選ぶ

一つひとつのアイテムはそれほど重くなくても、防災リュックや防災ポーチにまとめると想像以上に重量を感じることがあります。そのため、持ち運びを前提としているアイテムはなるべく軽量でコンパクトな物を選びましょう。

■防災リュック・ポーチをコンパクトにするためのアイデア

  • 同じもののミニサイズを選ぶ(例:消毒用アルコールはトラベル用を選ぶ)
  • 用途を兼ねるアイテムを選んで物の数を減らす(例:懐中電灯とラジオが一体化した「防災ラジオ」を選ぶ)
  • 軽い素材を選ぶ(例:ジーンズではなくウィンドブレーカーを着替えとして入れる)

3.防災セットを買う場合はアイテムの内容・質を事前に確認する

防災グッズを自分で一から揃えるのは大変ですよね。そのときに重宝するのが、さまざまな企業が防災アイテムを厳選してひとまとめにして販売している「防災セット」です。

しかし、防災セットは自分の生活スタイルに合ったものがすべて揃っているとは限らないため、購入前に必ずアイテムの内容を確認しましょう。足りないものがあれば自分で追加することが大切です。

また、防災セットのなかに質の低いアイテムが入っていると、いざ災害が発生したときに壊れていて使えなかったという事態にもなりかねません。そのため、気になる防災セットがあれば購入前に口コミを見るなどして質の面でも問題がないかチェックするようにしましょう。

防災グッズの準備以外に一人暮らしの人がやっておくべき3つの防災対策

災害から身を守り被災後も自分の生活をなるべく維持するためには、防災グッズ以外にも準備しておきたいことがあります。

ここからは、災害に備えて一人暮らしの人がやっておきたいことを3つ紹介します。どれも今からすぐ取り組める対策なので、この機会にやってみましょう。

■一人暮らしの人がやっておくべき3つの防災対策

  1. 家族・友人と安否確認の方法を決めておく
  2. 近隣の緊急避難先や危険区域を調べておく
  3. 身分証明書などの重要書類のコピーをとっておく

それぞれの対策について、具体的にどのように取り組めば良いのか解説します。

1.家族・友人と安否確認の方法を決めておく

災害が発生すると通信インフラがパンクして普段通りの方法で連絡を取れない可能性があります。

災害時に家族や友人が無事かどうかわからないと不安ですよね。そうならないよう「災害が起きたときにどこにどう連絡するのか」を事前に相談しておきましょう。

■安否確認の方法の例

  • 災害用伝言ダイヤル「171」で音声を登録・確認する
  • 災害用伝言板「web171」でメッセージを登録・確認する
  • 通信会社の災害用伝言板サービスを活用する
  • LINEの安否確認機能を利用する
  • XやInstagramなどのSNSで状況を報告する

2.近隣の緊急避難先や危険区域を調べておく

災害が発生したときにすぐ安全な場所へ向かえるように、自宅や職場近くの避難場所を調べておくことも大切です。地域の指定避難場所は以下の方法で確認することができます。

■指定避難場所の探し方

災害の種類によって避難すべき場所が異なる場合もあるので「地震が起きたら?」「大雨で洪水が発生したら?」とさまざまな災害のケースを想定して場所を検討しておきましょう。

自分が住んでいる地域はどのような災害が起こる可能性があるのか、どれくらい災害のリスクがあるのかを知りたい場合は、以下の方法で確認することができます。

■災害リスクの確認方法

3.身分証明書などの重要書類のコピーをとっておく

災害が起こると、自宅が被災して身分証明書を無くしてしまったり、ライフラインが復旧せず自宅に重要書類を取りに帰れない状況が長く続いたりすることがあります。

重要書類の情報がわからないと金融機関や行政機関などの手続きが複雑になり時間がかかることもあるので、身分証明書などの重要書類はしっかりコピーをとって防災グッズに入れておきましょう。

■コピーをとっておきたい重要書類

  • 運転免許証
  • 健康保険証
  • マイナンバーカード
  • パスポート
  • 在留カード・特別永住者証明書
  • 障害者手帳
  • 預金通帳
  • キャッシュカード
  • クレジットカード
  • 契約書類(賃貸契約書・ローン契約書など)
  • 給与明細・源泉徴収票の控え
  • 保険証券・保険証書
  • 不動産の権利証

防災グッズを準備しておけば一人暮らしでも安心!今日から少しずつ揃えていこう

この記事では、一人暮らしで備えておきたい防災グッズについて、防災リュック・防災ポーチ・在宅避難セットの3つに分けて紹介しました。

防災グッズを準備しておけば、災害時に役立つだけでなく「自分はちゃんと非常時に備えられている」という安心感や「災害が起こっても冷静に対処できる」という自信につながりますよ。災害はいつ起こるかわからないため、今日から少しずつ一人暮らしの防災対策を進めていきましょう。

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