一人暮らしの平均費用はいくら? 家賃の考え方や節約のコツも解説
COLUMN
2025.07.01
一人暮らしの平均費用はどれくらい?

一人暮らしをするには、平均でどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここからはさまざまなデータをもとに、毎月どれくらいの生活費がかかるのか、費用の目安を紹介します。
生活費のなかでも大きな割合を占める「家賃」については、住む地域によって差があるため、地域別に費用の目安を掲載します。
毎月の生活費は家賃+約15万円
毎月の生活費は、家賃+約15万円が目安です。一人暮らしをするには、家賃のほかに食費、光熱費・水道料金、医療費、交通費などさまざまな費用がかかります。
総務省が単身世帯を対象におこなった家計調査では、以下のような結果になりました。家賃を除いた生活費のなかでは食費が一番大きな出費になるとわかりますね。
しかしこの調査では食費のうち約1/4は外食代であるため、自炊中心で外食をあまりしない人であれば食費はもっと安く抑えることができますよ。
項目 | 具体例 | 金額 |
食費 | 食品・菓子購入代、外食代、飲酒代 | 4万8,204円(うち外食費1万2,370円) |
光熱費・水道代 | 電気代、ガス代、上下水道料 | 1万2,817円 |
家具・家事用品 | 家電購入費、洗剤やティッシュなどの消耗品購入費 | 5,938円 |
被服および履き物 | 洋服代、靴下や帽子、靴の購入費、クリーニング代 | 5,175円 |
保健医療 | 医薬品代、コンタクト代、診察代 | 8,502円 |
交通・通信 | 定期代、自動車関係費、携帯の通信費用 | 2万564円 |
教育娯楽 | 旅行費、書籍代、パソコンやゲームの購入費 | 2万375円 |
そのほか | 交際費、理美容品代、化粧品代 | 2万4,592円 |
合計 | − | 14万6,167円 |
※参考:総務省「家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表」(年間支出の項目別に12分割した金額を計算して掲載)(単身世帯・勤労者世帯)
家賃は居住地域によって大きな差がある
地域によって人口の多さや交通の利便性が異なるため、どこに住むかによって家賃にも数万円の差が出ます。たとえば東京・大阪・福岡の3都市を比較すると、以下のようになります。
【家賃の目安(ワンルームの場合)】
- 東京:8〜11万円
- 大阪:3〜6万円
- 福岡:3〜5万5,000円
ここからは、東京・大阪・福岡の3都市について、それぞれ家賃相場の特徴を解説します。
■東京:ワンルームで8〜11万円
東京都でワンルームの部屋を借りる場合、家賃の目安は8〜11万円です。大阪や福岡などほかの都市と比べて家賃が高く、利便性が良くて人気な「23区内」は10万円前後の部屋が多くなっています。
しかし、八王子市や町田市など23区外のエリアを選べば、利便性が少し下がるものの、ほかの都市と同じように3〜6万円台の部屋を見つけることも可能ですよ。
■大阪:ワンルームで3〜6万円
大阪でワンルームの部屋を借りる場合、家賃の目安は3〜6万円です。経済の中心地である大阪市の家賃が特に高く、特に北区・西区・福島区・中央区などでは7万円以上の部屋もめずらしくありません。
■福岡:ワンルームで3〜5万5,000円
福岡でワンルームの部屋を借りる場合、家賃の目安は3〜5万5,000円です。特に福岡市の家賃が高い傾向にあり、福岡市のなかでも博多区や中央区といった人気エリアは6〜7万円台の部屋もあります。
社会人は家賃を含めて約17万円程度が平均費用
社会人で一人暮らしをする場合、生活費は家賃を含めて17万円程度と考えておけば大丈夫です。
総務省の家計調査で、社会人として新生活を始める人が多いと考えられる34歳以下の年代に限定して単身世帯の結果を見ると、以下のような結果でした。住居費(家賃)は約4万円、食費は約4万3,000円で、支出全体の合計は17万3,000円となっています。
【生活費の内訳】
項目 | 具体例 | 金額 |
食費 | 食品・菓子購入代、外食代、飲酒代 | 4万3,407円(うち外食費1万9,611円) |
住居費 | 家賃、火災・地震保険料 | 3万9,621円 |
光熱費・水道代 | 電気代、ガス代、上下水道料 | 9,005円 |
家具・家事用品 | 家電購入費、洗剤やティッシュなどの消耗品購入費 | 4,649円 |
被服および履き物 | 洋服代、靴下や帽子、靴の購入費、クリーニング代 | 8,103円 |
保健医療 | 医薬品代、コンタクト代、診察代 | 8,276円 |
交通・通信 | 定期代、自動車関係費、携帯の通信費用 | 1万9,682円 |
教育娯楽 | 旅行費、書籍代、パソコンやゲームの購入費 | 2万4,962円 |
そのほか | 交際費、理美容品代、化粧品代 | 1万8,456円 |
合計 | − | 17万6,161円 |
※参考:総務省「家計調査 / 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 男女、年齢階級別」(年間支出の項目別に12分割した金額を計算して掲載)(単身世帯・勤労者世帯)
一人暮らしを始めるにはどれくらいの初期費用が必要?

これから一人暮らしを始めるうえで、毎月の生活費と加えて把握しておきたいのが「初期費用」です。賃貸物件を契約したり引越しの荷物を運んだりするには、数十万円単位の費用がかかります。
ここからは、一人暮らしを始める前に準備しておくべき初期費用の金額や内訳を紹介します。
【一人暮らしを始めるための初期費用】
- 部屋の契約費用:家賃の4〜5カ月分
- 引越し費用:5万円前後
- 家具家電や日用品の購入費用:20万円程度
部屋の契約費用:家賃の4〜6カ月分
賃貸物件の契約に必要な費用は、借りる予定の部屋の家賃4〜6カ月分が目安です。敷金や礼金が必要ない物件もあり、その場合は初期費用を家賃2カ月分ほど抑えることができますよ。
内訳 | 概要 | 金額の目安 |
家賃・共益費 | 入居月の日割り分と翌月分を契約時にまとめて支払うケースが多い | 家賃1〜2カ月分 |
敷金 | 家賃滞納や部屋の修繕に備えて入居時に支払う(退去時に残金が戻ってくる) | 家賃1カ月分 |
礼金 | 大家へのお礼として支払う(退去時の返金なし) | 家賃1カ月分 |
仲介手数料 | 契約を仲介する不動産会社に支払う手数料 | 家賃0.5〜1カ月分 |
火災保険料 | 部屋で火災が発生した場合に備える保険料(入居時に必ず加入が求められる) | 1~2万円 |
鍵の交換費用 | 入居する前に玄関の鍵を交換するための費用 | 1~2万円 |
保証会社利用料 | 家賃滞納をした場合に、入居者に代わって家賃を立て替える保証会社に支払う料金 | 家賃1カ月分の30〜100% |
引越し費用:5万円前後
引越し業者に依頼した場合、一人分の荷物であれば5万円前後の費用がかかります。しかし引越し費用は時期によって大きく変わり、繁忙期の2〜4月は特に高騰する傾向があるので注意が必要です。
家具家電や日用品の購入費用:20万円程
新生活を始めるには、家具や家電、日用品などを買い揃えなければなりません。具体的な費用は、自分がどれくらい物の機能や質、デザインなどにこだわるかによって異なります。
以下は購入する物と金額の一例です。初期費用を掲載する際の一つの参考にしてくださいね。
【家具家電・日用品の金額例】
- ベッド・寝具一式:5万円
- 冷蔵庫(200L):5万円
- 洗濯機(洗濯容量5~7kg・縦型):4万円
- テレビ(32インチ):3万円
- そのほか(食器・日用品・インテリア):5万円
一人暮らしの家賃はどれくらいまでOK?

一人暮らしをする部屋を探すうえで、家賃をどれくらいにすればいいのか悩む人は多いです。家賃を適切な範囲に収めるには、毎月の収入や手取り額を基準に考えるのがよいでしょう。
ここからは、一人暮らしの家賃の考え方について紹介します。
手取り額の4分の1〜3分の1程度が目安
社会人で一人暮らしを始める場合、家賃は手取り額の4分の1〜3分の1程度とされることが多いです。
手取り額とは、毎月の給料から社会保険料などが天引きされた後、実際に自分の口座に振り込まれる金額を指します。たとえば手取り額が20万円なら、家賃は5〜6万円程度が目安です。
大学生でまだ収入がない場合は、保護者からの仕送りや奨学金、アルバイト代などを合計した総額で考えましょう。
間取りによって家賃相場に大きな差がある
家賃は部屋の間取りによって大きく変わります。一人暮らしの場合、キッチン以外の部屋数は1つで十分なので、1R、1K、1DK、1LDKが一人暮らし向きの間取りです。
たとえば東京都中央区の家賃を見てみると、10万円前後の1Rと20万円前後の1LDKでは倍の差があります。
【間取り別の家賃相場(東京都中央区の場合)】
間取り | 間取りの詳細 | 家賃の相場 |
1R | キッチンと居室の区切りがなく一体になっている | 10万円前後 |
1K | キッチンと居室が区切られている | 12万円前後 |
1DK | キッチンとダイニング(食事をする部屋)が複合している部屋と、居室が区切られている | 15万円前後 |
1LDK | キッチン・ダイニング・リビングルームが複合している部屋(8畳以上)と、居室が区切られている | 20万円前後 |
一人暮らしの生活費用を節約するコツ

一人暮らしにかかる費用を調べていると「想像よりも生活費や初期費用がかかる」と感じることもありますよね。
一人暮らしの生活費をなるべく抑えたい!そう思ったら、これから紹介する節約のコツをぜひ実践してみてくださいね。
【一人暮らしの生活費用を節約するコツ】
- 家賃や通信費などの固定費を見直す
- 自炊をして食費を節約する
- 家計簿アプリなどを活用して支出を見える化する
家賃や通信費などの固定費を見直す
一人暮らしの生活費を少しでも安くしたいと思ったら、まずは毎月一定の金額が支出として出ていく「固定費」を下げるのが得策です。
たとえば、家賃が数千円低い部屋を選ぶだけでも年間数万円の節約になりますよ。また、携帯電話の通信会社を大手キャリアから格安SIMに切り替えて必要な機能・通信量を取捨選択すれば、通信費の節約につなげることが可能です。
自炊をして食費を節約する
一人暮らしの生活費で、家賃の次に大きな出費となるのが「食費」です。特に、外食が多くなると食費が高くなってしまいやすいため、自炊を心掛けることが節約につながりますよ。
自炊を続けると自分の体調管理にもなるので、節約と健康維持の一石二鳥といえます。
家計簿アプリなどを活用して支出を見える化する

一人暮らしの生活費を抑えるうえで、節約と同じくらい大切なのが「支出の把握」です。自分が何にいくら使っているのか、計画したとおりの金額に収まっているのかを把握できていれば、出費が予定外に増えるのを防げます。
支出を正確に把握するには、お金の流れをいつでも確認できる形にしておく、つまり「見える化」しておく必要があります。たとえば、すべての支出を一括で管理できる家計簿アプリを入れたり、購入履歴をいつでも確認できるキャッシュレス決済を活用したりすることで支出を見える化できますよ。
この記事では、一人暮らしの平均費用について紹介しました。掲載した費用は、あくまで調査データを基準にした目安の金額です。実際にどれくらいの費用がかかるかは個人の生活スタイルによって大きく変わるため、一つの参考として役立ててくださいね。
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