一生独身はめずらしくない! シングルライフを楽しむコツも解説

COLUMN

2025.07.01

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一生独身の人はめずらしくない! 未婚者に関する調査からわかること

学生時代の友人や会社の同僚など同世代の人が次々結婚したり、両親や親戚などから結婚の話題を持ち出されたりして「このまま一生独身だったらどうしよう」「そもそも結婚しないといけないのかな」といった悩みを抱える人は多いです。

しかし、これから紹介する未婚者についての調査結果をみると、結婚しないまま生涯を過ごす人はそれほどめずらしくないことがわかります。「結婚をしない」という選択肢をとる人も少なくないと知れば、漠然とした焦りや将来への不安が軽くなるはずです。

男性の約3割、女性の約2割が50歳時点で未婚

一生独身の人がどれくらいいるのか考えるうえで、50歳時点の未婚割合が一つの指標としてよく挙げられます。未婚割合について調べた国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(2022年版)」によると、2020年時点で50歳の男性の約3割(28.3%)、女性の約2割(17.8%)が未婚という結果でした。

同研究所が将来の未婚割合を予測したデータ「日本の世帯数の将来推計(全国推計)2024年推計」を基準にしても、2050年時点で男性の28.4%、女性の20.1%が50歳時点で未婚であると推計できます。このことから「10人のうち2〜3人は生涯独身で過ごす可能性が高い」ということがわかります。
もちろん50歳を過ぎてから結婚する人もいるので一概にはいえませんが、「一生独身の人はそれほど少なくない」と捉えることができるでしょう。

独身でいる理由は「適当な相手にまだめぐり合わないから」が多い

「結婚したいけれど相手が見つからない」という悩みを抱えているかもしれませんが、同じような悩みがある人は少なくありません。
国立社会保障・人口問題研究所がおこなった「第16回出生動向基本調査」(2021年実施)では、結婚の意思がある未婚者のうち、男女ともに4割以上の人が、結婚したいパートナーに出会えていないから独身でいることがわかりました。

独身でいるおもな理由(25〜34歳・男女)

  • 適当な相手にまだめぐり会わないから(男性43.3%、女性48.1%)
  • 独身の自由さや気楽さを失いたくないから(男性26.6%、女性31.0%)
  • 結婚する必要性をまだ感じないから(男性25.8%、女性29.3%)

※参考:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(2021年実施)

また「独身のほうが自由で気楽」「結婚する必要性をまだ感じない」という意見もあり、「いつかは結婚したいけれど今はまだ独身でいたい」と考えている人も少なくないようです。

「一生結婚するつもりはない」と結婚したくない人も増加傾向

独身の人のなかには、結婚したくてもできないから独身でいるのではなく、独身というライフスタイルを積極的に選択している人もいるようです。
国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査」(2021年実施)によると、未婚者のうち男性の17.3%、女性の14.6%が「一生結婚するつもりはない」と回答しました。
このように、結婚に消極的で生涯独身を貫こうと考えている人の割合は、2000年代に入って少しずつ増えているようです。

一生独身でいる3つのメリット

今後の人生や老後などについて考えていると、「このまま結婚せず独身のまま過ごしても大丈夫なのか……」と不安になることもありますよね。
そこでここからは、生涯結婚せず独身で過ごす場合のメリットを3つの観点から紹介します。

一生独身でいる3つのメリット

  1. 生き方や仕事などを自由に選択できる
  2. 家の中で人間関係のストレスがない
  3. 金銭面のゆとりを持てる

1.生き方や仕事などを自由に選択できる

一生独身でいるメリットの1つ目は、生き方や仕事などを自由に選択できることです。

たとえば転職しようと思った場合、独身であれば自分が仕事を変えることによって大きな影響を受ける人はいません。仮に収入が下がったり勤務地が遠方になったりしても、自分さえ納得できれば問題ないでしょう。
しかし結婚すると、どこで暮らすか、どのような働き方をするかなど、人生のさまざまな選択を家族と話し合いながら決めていく必要が出てきます。パートナーの都合を優先せざるを得ない状況もあるので、その不自由さにストレスを感じる人も存在します。

2.家の中で人間関係のストレスがない

一生独身でいるメリットの2つ目は、家の中で人間関係のストレスがないことです。独身の場合は家のスペックやインテリアのこだわりなど、自分の思い通りに選ぶことができます。また、仮に人生で大きな失敗をしたとしても自分の失敗によってパートナーや子どもに不利益を与えてしまうことはなく、責任を負うのは自分だけで済みます。
だからこそ「1.生き方や仕事などを自由に選択できる」で解説したように思い切った決断もしやすいといえます。

3.金銭面のゆとりを持てる

一生独身でいるメリットの3つ目は、金銭面のゆとりを持てることです。結婚しない場合、収入のうち生活費を除いて余ったお金については、趣味に費やしたり貯金にまわしたりと好きに活用できます
しかし結婚して子どもが生まれると養育費・教育費を用意しなければならないので、金銭的なゆとりがその分減ってしまう可能性があります。
たとえば総務省統計局の「家計調査 家計収支編 2024年」によると、単身世帯の1カ月の生活費は約17万円で、子ども(未婚)が1人いる共働き世帯の生活費は、単身世帯の倍の約34万円でした。
また、消費項目の内訳をみると、共働き世帯は学校の授業料や学習塾の月謝代などを含む「教育」の費用が毎月2万5,000円以上かかっています。「住宅」の金額は持ち家による帰属家賃を除いて算出しています。賃貸の場合は、以下の表の「住居」のところに現在の家賃を入れて考えてみると、全体の必要経費がわかりやすいと思いますので参考にしてみてください。

【単身世帯と共働き夫婦(子ども1人有)の消費支出】

消費項目単身世帯共働き夫婦と未婚の子ども1人の世帯
食料4万3,941円8万7,156円
住居2万3,372円1万8,966円
光熱・水道1万2,816円2万1,439円
家具・家事用品5,822円1万3,558円
被服及び履物4,881円1万2,584円
保健医療8,394円1万4,145円
交通・通信2万418円5万1,351円
教育9円2万6,393円
教養娯楽1万9,519円3万2,166円
そのほか3万375円6万411円
合計16万9,547円33万8,169円

参考:総務省統計局「家計調査 家計収支編 2024年
※消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)を用いた金額

一生独身でいる3つのデメリット

これまで解説したように、結婚せずに生涯独身で過ごすことになっても幸せな生活を送ることはできるので、安心してください。
しかし、今後結婚するかしないか決めかねている人は、悔いのない選択をするために、これから解説する「結婚しない場合のデメリット」もしっかり把握しておきましょう。

一生独身でいる3つのデメリット

  1. 病気や怪我をしたときの手助けが得られにくい
  2. 精神的に安らげる環境がなく孤独感を抱きやすい
  3. 社会的に肩身の狭い思いをすることがある

1.病気や怪我をしたときの手助けが得られにくい

一生独身でいるデメリットの1つ目は、病気や怪我をしたときに手助けが得られにくいことです。
結婚して家族ができれば、たとえば体調が悪いときに病院へ連れて行ってもらったり自分の代わりに買い物をしてもらったりと、さまざまなサポートをしてもらえますよね。また、病気や怪我で自分が働けなくなったとしても、パートナーの収入があれば生活費や医療費をまかなうことができます
しかし独身の場合はこのようなサポートがないため、病気や怪我をしたときでも自力で解決しなければなりません。年を重ねれば重ねるほど病気や怪我のリスクも高まるので、特に老後の生活について不安に感じている独身の人が多い傾向があります。

2.精神的に安らげる環境がなく孤独感を抱きやすい

一生独身でいるデメリットの2つ目は、精神的に安らげる環境がなく孤独感を抱きやすいことです。

結婚して暖かい家庭を築ければ、自分が落ち着いて過ごせる大切な居場所になります。また、パートナーの家族や親戚、自分の子ども、子どもの友だちの親など、結婚することで人間関係も自然と増えていきます

反対に、結婚せず一人暮らしを続ける場合、自分から積極的に行動を起こさない限り、人間関係が広がっていくことはあまりありません。誰もいない自分の家と職場を往復する生活になりやすく、大きな孤独感を抱く人も少なからず存在します。

3.社会的に肩身の狭い思いをすることがある

一生独身でいるデメリットの3つ目は、社会的に肩身の狭い思いをする場合があることです。
「男性の約3割、女性の約2割が50歳時点で未婚」で解説したように、10人のうち2〜3人程度は生涯結婚しないまま過ごす可能性があります。それでも、一生独身である人は社会全体で見るとやはり少数派です。
「大人になったら結婚するのが当たり前」と考えている人もいます。そのように人生において結婚を重視する人から「まだ結婚しないのか? 」と聞かれてプレッシャーに感じる人も少なくありません。
その結果、独身であることが大きなコンプレックスになってしまうケースもあります。

一生独身でも大丈夫! シングルライフを楽しむために今からできること

一生独身でいるメリットとデメリットを紹介しましたが、重要なのは「結婚するかしないか」ではありません。結婚してもしなくても、自分の人生を楽しめるように努力することがもっとも大切です。

しかし、一生独身になった場合、どのように工夫すれば生活を楽しめるのかわからないという人も多いですよね。そこでここからは、「自分らしいシングルライフ」を送るために今から取り組めることを紹介します。

シングルライフを楽しむために今からできること

  1. 自分の時間を楽しむ方法を確立する
  2. 未来に残すものを決める
  3. 健康的な体を作る
  4. 人間関係を豊かにする
  5. 金銭面の計画を立てる

1.自分の時間を楽しむ方法を確立する

生涯結婚せずに過ごす場合、自分が好きなように使える時間はとても多いです。そのため人生を充実させるには、自分の時間を楽しく過ごす方法を確立することが鍵になります。自分らしい時間の使い方ができれば、日々が充実して孤独感を抱くことも少ないですよ。

2.未来に残すものを決める

「自分の人生で何も成し遂げることができなかった」と後悔しないように、自分なりに未来に残したいと思えるものを決めて準備しておくのも、シングルライフを充実させるために今からできることの1つですよ。
未来に残すといっても、たとえば自分で会社を作ったり、子どもの教育に携わったり、SNSで情報を発信したりと方法はさまざまあります。まずは、自分が生涯を通して何を成し遂げたいか考えてみましょう。

3.健康的な体を作る

シングルライフの醍醐味は、自由であることです。しかし、病気や怪我をしてしまったら自由に生活することはできません。そのため自由な生活を最大限楽しむためには、何よりも健康が大切になりますよ。
特に、独身で一人で暮らしていると、自由である反面ライフスタイルが乱れやすいのも事実です。今からバランスの良い食事を心がけ、しっかり運動して休養を取るようにしましょう。

4.人間関係を豊かにする

結婚すると、パートナーの家族や親戚との付き合いが生まれたり、子どもを通じた知り合いが出来たりして自然と多くの人と関わる機会があります。しかし独身の場合はこのような生活の変化が少なく、新しい人間関係が生まれにくい状況です。

そのため、たとえば地域コミュニティに積極的に参加したり、チームスポーツを始めたり、趣味に関連した教室に通ったりなど、自分から人間関係を豊かにするために行動を起こすことが大切ですよ。

5.金銭面の計画を立てる

独身の場合は、病気や怪我で働けなくなれば生活が立ち行かなくなるリスクが高いです。そのため自分自身で介護費用などの老後資金を準備したり、単身者向けの民間保険に入ったりなど金銭面の計画を立てることが大切です。
今計画を立てておけば、将来に対する漠然とした不安を減らすこともできます。独身の生活により希望が持てて、結婚するかしないかにこだわりすぎずに今後の人生設計を考えるきっかけになりますよ。

この記事では、未婚者の割合や一生独身で過ごすメリット・デメリットなどを解説しました。
生涯未婚の人はそれほどめずらしくありません。「一生独身だったらどうしよう……」と不安に感じることもあるかもしれませんが、結婚してもしなくても人生を楽しむことは可能です。このことを忘れずに、悔いのない人生の選択をしてくださいね。

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