あなたは大丈夫?
陥ると危険な「ワーカホリック」
診断テスト
image photo
あなたは仕事が好きですか? 1日の中で仕事が占める時間を考えれば、仕事に没頭している人は人生そのものが充実しているように見えることでしょう。
しかし実際は、仕事が好きで仕事漬けの毎日を送っている人ばかりではありません。仕事に多くの時間を割いている人の中には、陥ると危険な『ワーカホリック』になっている人も少なくないのです。
そこで今回は、そんなワーカホリックの定義や危険性、原因などを紹介します。ワーカホリックかどうかを簡単にチェックできる診断テストも紹介しますので、心配な方はチェックしてみてください。
ワーカホリックとは『仕事中毒』や『仕事依存』を指す言葉。1970年代に活躍した海外の作家が「work(仕事)」と「~holic(~中毒)」を合体させる形で作った、いわゆる造語です。
具体的には、こんな状態の人をワーカホリックと呼びます。
・仕事だけが生き甲斐
・明らかに働き過ぎ
・プライベートをなおざりにしてまで働く
ただ、こういった状態だからといって必ずしもワーカホリックであるとは限りません。単に仕事が好きな人もいれば、一時的に多忙となっているだけの場合もあるからです。
では、ワーカホリックであるかどうかを見極めるにはどこを見ればよいのでしょうか?
仕事漬けとなっている人がワーカホリックかどうかを見極める上で大きなポイントとなるのは、次の2点です。
1.ポジティブな理由で働いているかどうか
2.仕事以外の時間を充実させる気があるかどうか
単に仕事好きな人と違い、ワーカホリックはネガティブな理由で仕事にのめり込みます。
またワーカホリックが充実感を抱くのは、“仕事をしている時間だけ”です。そのためワーカホリックは、プライベートな時間をなげうってでも働き続けようとします。
しかし本人にはワーカホリックの自覚がないことも多く、体調不良や人間関係の破たんなどが実際に起こるまで自分がワーカホリックだと気付かないケースも少なくありません。
そのため気付いた時には“時すでに遅し”で、自分ではどうにもできない状態になっている可能性があるのです。最悪の場合、過労死につながる可能性すらあります。
だからこそ、ワーカホリックには注意が必要なのです。
ではワーカホリックに陥る人は、なぜそんな状態になるまで働いてしまうのでしょうか?
ワーカホリックになる人は往々にして不安や焦り、恐れや孤独感、自信のなさといったネガティブな感情を抱いています。こういった感情をごまかせる唯一の時間が仕事中であるため、どんどん仕事にのめり込んでいくのです。
またプライベートでは得られない達成感や充実感に加え、周りから頼られたり感謝されたりすることで得られる喜びや安心感などが癖になることもワーカホリックに陥る原因だと考えられます。
その他には、こんな性格の方もワーカホリックになりやすいといえるでしょう。
・人に仕事を任せるのが極端に苦手orできない
・人の評価を人一倍、気にする
・人からの頼まれごとを断れない
・努力家、負けず嫌い、プライドが高い
・責任感が強く、完璧主義
最後に、ワーカホリックかどうかを診断するためのチェックリストを紹介します。
ご自身やご家族などに不安がある人は、当てはまる項目がいくつあるか数えてみてください。
□仕事をしていないと落ち着かないorイライラする
□早く帰りたくなくて、“明日でいい仕事”をしてまで残業をする
□体調を崩すと分かっていても長時間労働をしてしまう
□労働時間が長くても苦にならないが「仕事が好き」というわけでもない
□暇を持て余すくらいなら仕事をしていたい
□働き過ぎだと周りから言われる
□急ぎでない仕事も家に持ち帰ってやる
□休日も仕事のことで頭がいっぱい
□仕事以外に楽しみがない
□「今日する」と決めた仕事が終わるまでは帰らない
□起きている間は常に仕事のことを考えている
□遊んだりリラックスしたりしている時間がほとんどない
□スケジュールが空いていると不安になる
□早出や残業、休日出勤などを好んでする(むしろ無給でもいい)
□何もしていない時間=ムダな時間だと感じる
□仕事のためなら睡眠時間を削ってもいい
□“仕事関係以外の人”と関わる機会がほとんどない
□夜中や休日でも仕事のメールが来たらすぐに返信する
□仕事を理由に大事な予定を断ることが間々ある
□仕事を休むことに罪悪感があり、体調不良でも休めない
□暇を持て余すので休日は好きじゃない、有休も要らない
□自分の仕事量は周りに比べてすごく多い
□仕事の効率化など考えたこともないし、したいとも思わない
□仕事を理由に昼食を抜くことがよくある
□働き過ぎによる体調不良を勲章のように感じる
これらのチェックリストのうち、7つ以上の項目に当てはまる人はワーカホリックである可能性が高いでしょう。
ただし、たとえ7つ未満だったとしても3つ以上の項目に当てはまった人はワーカホリック予備軍である可能性が高いため、油断は禁物です。
特に注意が必要なのは、好きでもなければ急ぎでもない仕事のために食事や休息の時間を削ろうとする人です。このままエスカレートしていくと心身に支障を来す恐れがありますので、ぜひ一度ご自身の働き方を見直していただきたいと思います。
何はともあれ、自分がワーカホリックであると気付くことは大きな一歩です。そしてもし自分がワーカホリックだと気付いたら、まずはワーカホリックがいかに危険かを調べてみてください。危険性さえ理解できれば「何とかしよう」と思えるはずです。
どうしても対処方法が分からない時は、職場の相談窓口やカウンセラーへの相談も視野に入れてみるとよいでしょう。例えば、日本産業カウンセラー協会の運営する『こころの耳』というサイトには無料で相談できる窓口が掲載されています(https://kokoro.mhlw.go.jp/agency/)。
最悪の結果を招く前に、ぜひ改善に向けた一歩を踏み出してみてくださいね。