食生活で「夏バテ」予防!
あなたの不調は冷房バテ? 胃バテ?
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夏バテとは、夏の暑さや冷房の冷えによって体がバテてしまうこと。食欲がなくなったり疲れやすくなったりするほか、おなかの調子が悪くなったり無気力になったりする人もいます。では、どうすれば夏バテを防ぐことができるのでしょうか?
今回は夏バテの2つの種類と、予防にオススメの食材やメニューを紹介します。今年の夏を元気に乗り越えるために、ぜひ今日から実践してみてください。
一口に「夏バテ」と言っても、その症状は人それぞれです。症状別に原因を探って対策していかなければ、予防の効果は半減してしまうでしょう。
そこでまず理解しておきたいのが、夏バテの種類。実は、夏バテには大きく分けて2つの種類があります。
それが、この2つ。
1.冷房バテ
2.胃バテ
では、それぞれにはどのような違いがあるのでしょうか?
◆冷房バテの原因は「自律神経の乱れ」
冷房バテとは、いわゆる『冷房によって起こる体調不良』のことです。
冷房バテが起こる大きな原因が、自律神経の乱れ。人の体は急激な温度変化に対応する能力を持ち合わせていないため、暑さと冷えを繰り返すと自律神経が乱れます。
なお冷房バテで現れるのは、こういった症状です。
・体が重い、ダルい
・寝ても疲れが取れない
・しっかり寝られない(寝付けない、夜中に起きる)
・頭痛、めまい、立ちくらみなどがある
・やる気が出ない、気分が落ちる など
こうして見ると、いわゆる『夏バテ』と呼ばれる症状の大半は自律神経の乱れが原因で起こると言っても過言ではなさそうですね。
『夏バテ』という言葉を使うと、何となく軽い症状のように感じるかもしれません。
しかし自律神経の乱れによる症状というのは、医学用語で言うところの『自律神経失調症』です。
症状が現れているにもかかわらず放置していると、うつ病をはじめとする深刻な症状を引き起こす恐れがあります。自律神経の乱れが原因だと感じるときは「ただの夏バテ」と思わず、1日でも早く改善できるよう努めるのが得策です。
ちなみに、冷房による体の冷えすぎも自律神経の乱れを引き起こす原因の1つです。
『冷房病』や『クーラー病』と呼ばれることもありますね。
「ずっと家にいて暑い思いをしていないのに、なぜ夏バテ?」と思う場合は、体の冷えすぎが原因で自律神経を乱しているのかもしれません。
◆胃バテの原因は「胃腸の機能低下」
続いて、胃バテの原因や症状を紹介します。
胃バテとは『夏に起こる胃腸の不調』を指す言葉です。
暑い季節になると、つい手を伸ばしてしまいがちな冷たいもの。しかし冷たいものばかりを選んで食べたり飲んだりしていると、胃腸の機能を低下させてしまいます。
胃腸の機能が低下することで現れるのが、これらの症状です。
・胃痛
・胃もたれ
・胃のムカムカ、吐き気
・食欲不振
・胃酸過多
・便秘、下痢
・肌荒れ、口内炎 など
胃バテの症状が現れ始めると食欲が減り、栄養不足になります。そうするとさらに胃腸の機能が低下し、食欲が減る…。
胃がバテ始めると、こういった悪循環に陥ってしまうのです。
なお先ほど紹介した自律神経の乱れも胃腸の機能を低下させる原因の1つになりますし、反対に胃バテによる食欲不振や栄養不足などは自律神経の乱れにつながります。
つまり直接の原因は異なっていても、2つの夏バテは密接に関わり合っているということですね。
夏バテを予防するためには、次の3つを心掛けることが基本の対策となります。
1.体や内臓を冷やしすぎない
2.十分な睡眠を取る
3.不足しがちな栄養に気を配る
ただし、どれか1つを徹底的に行えばよいのではなく3つ全てに気を使うことが大切です。
そこで今回の記事では、この3つ全てに共通する対策として『夏バテ予防に効果的な食生活の取り組み』を紹介します。それぞれ簡単に取り組めることばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。
◆体は適度に温めよう! オススメは「スパイス」
冷え対策の方法として意外と盲点なのが、体を温めること。入浴をシャワーだけで済ませず湯船に浸かるほか、温かい飲み物を習慣的に口にすることも夏バテ予防には効果的です。
また、食事にスパイスを取り入れることでも夏バテは予防できます。
例えば、こういったスパイスなら日常の食事にも取り入れやすいでしょう。
・ニンニク
・ショウガ
・シナモン
・トウガラシ
・コショウ
・サンショウ など
これらのスパイスは体を温めたり食欲を増加させたりしてくれるため、夏バテ予防にピッタリです。興味があれば、この機会に本格カレーや本格中華などにチャレンジしてみるのも良いと思います。
※ただし、胃バテを起こしている時に刺激の強いものを摂取すると逆に症状を悪化させる恐れがあります。ご注意ください
◆ 眠りは「質」も大事! 食事のプラスワン・テクで上質な睡眠を
睡眠は、時間の長さと同様に質も大切です。
睡眠の質を上げる方法にもいろいろありますが、実は食生活に気を配ることでも睡眠の質は上げられます。
例えば、良質な睡眠に欠かせない栄養素の1つが『トリプトファン』。トリプトファンが不足すると『メラトニン』という睡眠ホルモンを作れなくなり、結果的に睡眠の質が低下してしまうのです。
なおトリプトファンは体内で作れないため、食事で補う必要があります。
トリプトファンを多く含む食材といえば、乳製品や大豆製品、バナナなど。これらの食材とビタミンB6を含む食材を組み合わせて摂取すると、トリプトファンを上手に補えます。
そこでオススメしたいのが、みそ汁です。
具材を変えればさまざまな栄養素を同時に取り入れられますし、メインのおかずや副菜との食べ合わせに気を配ることでも効率良くトリプトファンを摂取できます。
また一口にみそ汁と言っても『粕汁』や『豚汁』『なめこ汁』など、その種類は実に豊富です。これを機に、さまざまな種類のみそ汁に挑戦してみてはいかがでしょうか。
みそ汁のアイデアと出会いたければ「みそ汁 種類」といったワードで検索するのがオススメです。各メーカーからさまざまなレシピが出ていますので、興味のある方は検索してみてください。
◆ 意外と簡単? 夏バテ予防に効果的な組み合わせを意識しよう
最後に、夏バテ予防に効果的な食材やメニューを紹介します。
夏バテ予防に欠かせない栄養素といえば、次の3つが代表的です。
・ビタミン
・ミネラル
・たんぱく質
中でも、特に意識して取り入れたいのが『ビタミンB1』。
疲労回復にはビタミンB1が欠かせないのですが、この栄養素は体内に蓄えておけないため継続的に摂取しなければいけません。
ビタミンB1を含む食材には、例えばこういったものがあります。
・豚肉(特に豊富なのはヒレ、モモ など)
・魚(ウナギ、サケ、ブリ など)
・魚卵(タラコ、カレイの子 など)
・卵
・玄米
・大豆
・アボカド …etc.
また、ビタミンB1を効率的に摂取するためには『アリシン』という栄養素も欠かせません。アリシンにはビタミンB1の吸収を高める働きがあるため、両者は同時に摂取するのが理想的。
そんなアリシンを含む代表的な食材は、こちらです。
・ニンニク
・ネギ
・タマネギ
・ニラ …etc.
これらを組み合わせると、夏バテ予防に効果的なメニューには以下のようなものが考えられます。
・豚のショウガ焼き
・レバニラ
・ネギたっぷりのチャーシュー丼
・ニラ玉
・ウナギの卵とじ丼(青ネギを載せて)
・つけ麺風・ネギ豚そば
・アボカドのナムル …etc.
こうしてみると、おなじみのメニューも多いですね。
『ビタミンB1×アリシン』の組み合わせは、それぞれを含む食材を知りさえすれば意外と簡単にマスターできそうです。夏バテを予防したい人は、ぜひ両者を含む食材について調べてみてください。
覚えるのが面倒な人は「夏バテ予防には豚肉!」と覚えておくと簡単ですよ。
夏バテを予防するためにアレコレと考え過ぎて、余計にストレスをためてしまっては元も子もありません。夏バテ予防は、あくまで夏を快適に過ごすための対策です。ストレスを増やすのではなく、楽しく取り組める方法を考えてみてください。
ムリなく、楽しく♪ 元気に夏を乗り越えたいものですね!
・夏バテにならないために~夏バテの原因と対策~|ソニー損保
https://with.sonysonpo.co.jp/wisdom/health/detail_190870.html
・酷暑で自律神経がピンチ! 夏バテを予防する4つのケアとは?|日経グッデイ
https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/17/013000009/072900040/
・自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)|e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-082.html
・季節の変わり目と自律神経の乱れ|ナチュラルクリニック代々木
https://www.natural-c.com/blog/2020/09/post-223-750032.html
・いまどきの「夏バテ」対処法|サワイ健康推進課
https://kenko.sawai.co.jp/healthcare/201907.html
・冷房病(クーラー病)|荒木脳神経外科病院
https://arakihp.jp/news/health/冷房病(クーラー病)/
・夏こそ食べ物にも温活を意識!体を冷やす食べ物と温める食べ物を知ろう|オズモール
https://www.ozmall.co.jp/healthcare/onkatsu/article/24982/
・睡眠について(後編)~良質な睡眠を得るために~|新百合ヶ丘総合病院
https://www.shinyuri-hospital.com/column/column_201804.html
・夏に摂取したい栄養素とは?調理法の工夫や夏バテ予防のレシピを紹介|NHK
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1022.html