Z世代とのコミュニケーションは難しい?
3つのポイントを押さえよう
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企業には、10代〜70代まで実に幅広い世代が集まっています。一緒に仕事をしていく中で、世代によって仕事への姿勢や物事の考え方の違いを感じることもあるでしょう。
上の世代から厳しく育成された中堅ビジネスパーソンは、社会人になって間もないZ世代とのコミュニケーションに難しさを感じる場面があるかもしれません。しかし、Z世代とスムーズに話すことは、仕事や人間関係において大きなメリットがあります。
今回は、Z世代とのコミュニケーションにおいて重要な3つのポイントを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
Z世代とは、一般的に1990年代後半から2012年ごろまでに生まれた世代を指します。2023年時点で、10代〜20代半ばまでの人たちです。企業内では、大卒3年目くらいまでの若手が該当します。
Z世代はインターネットやスマートフォンなどのデジタル技術に慣れ親しんで育ち、SNSを利用してコミュニケーションを取ることが当たり前の生活を送っています。インターネットで海外の情報に接することも多いため、多様性や個性を尊重し、ジェンダーや環境などの社会的な問題に関心が高いと言われています。
彼らとスムーズに仕事を進めていくための、コミュニケーションのポイントを見ていきましょう。
Z世代は、デジタルツールを使って情報を集めたり、意見を交換したりすることに慣れています。また、メールや電話よりも、チャットやSNSなどのインスタントメッセージやビデオ通話などのツールを好みます。
このような傾向から、会社への欠席連絡にSNSを使ってしまうケースや、電話対応で知らない人と話すことに抵抗を感じるケースもあるようです。一人暮らしの場合、自宅に固定電話を設置していない人も少なくありません。「常識だろう」と思わず、社会人としてのマナーや電話の受け答えなどを丁寧に教えることが肝心です。
Z世代とのコミュニケーションでは、彼らが使い慣れているデジタルツールを積極的に活用しましょう。それによって、彼らとの距離感を縮めたり、信頼感を高めたりすることができます。
ただし、個人用のSNSアカウントをしつこく聞き出そうとしたり、絵文字や若者言葉を多用した馴れ馴れしいメッセージを送ったりするのは厳禁です。あくまで「上司・先輩として相談を受ける機会を増やす」という意識を持ち、仕事上のコミュニケーション手段と割り切りましょう。
Z世代は、「周りからどう見られているか」を気にする傾向が強く、仕事においても自分の成長や貢献度を知りたがります。つまり、自分の仕事に対して、具体的かつ頻繁にフィードバックや評価を受けることを期待します。
ポジティブなフィードバックは、Z世代の自己肯定感や自信を高め、仕事への「やる気」を高める効果があるでしょう。
一方で、ネガティブなフィードバックに耐えられないケースも散見されます。Z世代の姿勢は、厳しい仕事環境を乗り越えてきたベテラン層から「打たれ弱い」と思われてしまうかもしれません。
しかしながら、Z世代は就職活動の段階からパワハラやセクハラへの注意喚起を受けています。さらに、SNSでも様々な事例が共有されていることから、合理性のない指導や理不尽な叱責に敏感です。
上司・先輩は、具体的な事例や数字を示して、冷静かつ建設的なフィードバックに努めましょう。また、彼らの努力や工夫に対して、感謝や称賛を伝えましょう。
Z世代は、一方的な指示や命令よりも、対話や協働を通じて仕事を進めることを望みます。
Z世代のうち、現在20代の層はいわゆる「ゆとり教育」を受けてきた人たちです。「ゆとり教育」では、自分で考え納得することを重視し、他者とのディスカッションを多用した教育を受けています。このため彼らは、自分の考えや提案を発表したり、他者と協力したりすることに抵抗がありません。
それまでの「詰め込み教育」を受けてきた世代とは異なり、上司から指示されたことでも、無条件で従うのではなく「自分で考えて、納得してから」取り組みたいという意欲を持っています。
Z世代に仕事を任せる際には、一方的な上意下達ではなく、一緒に目標や方法を決めて役割や責任を分担すると、最後まで「自分ごと」としてやり遂げてくれるでしょう。また、仕事の進め方について質問やフィードバックをして「周囲が自分をフォローしてくれている」という認識を持たせるのも有効です。
今回は、Z世代とのコミュニケーションにおいて重要な3つのポイントを紹介しました。
デジタルツールを活用する、フィードバックを丁寧に行う、対話や協働を重視する、これらのポイントを意識して、Z世代とのコミュニケーション方法を身につけましょう。
Z世代に限らず、自分と異なる世代とのコミュニケーションは、仕事の効率や成果はもちろん、自分自身の成長や学びにもつながります。幅広いコミュニケーション方法を楽しむことで、ビジネスパーソンとしての魅力も高まるでしょう。