独身でのマンション購入はめずらしくない!相場や間取りの目安を解説
COLUMN
2025.10.10
独身でマンションを購入したいと思ったとき、「そもそも一人暮らしでマンションを購入するのはアリなのか」「どんなデメリットがあるのか」「どれくらいの相場の物件を買えばいいのか」など気になることがたくさん出てきますよね。
そこでこの記事では、独身でマンションを購入するのはアリなのか解説したうえで、購入するメリット・デメリット、一人暮らし向けの物件の相場・間取りなどを紹介します。
独身でマンションを購入するのはアリ?

マンションを購入するタイミングというと、結婚したり子どもが生まれたりなど、ライフステージが変化した後のイメージが強いかもしれません。独身で一人暮らし用のマンションを購入するという選択肢はアリなのでしょうか。
一人暮らし用のマンションを購入する人は決してめずらしくない
実は、独身で一人暮らし用のマンションを購入する人はそれほどめずらしくありません。晩婚化・未婚化が進むなかで、特に都市部でのシングル向け物件の需要が高まっている傾向があります。
■独身者がマンションを購入する主な理由
- 家賃や更新料を払い続けるのがもったいないから
- 将来的に自分の資産になるから
- 賃貸よりも快適・安全な環境で暮らせると思ったから
- 老後に住む場所を確保したいから
年収300〜500万円・30代後半〜40代で購入する人が多い
年収や年齢など、どういう人が独身でマンションを購入しているのか気になりますよね。
マンションを5年以内に購入した女性528名(うち未婚者400名)を対象にした一般社団法人女性のための快適住まいづくり研究会の調査によると、はじめてマンションを購入したときの年収は500万円台(25.4%)がもっとも多く、割合が大きい順に400万円台(19.1%)、300万円台(15.3%)と続いています。
また、同じ調査でははじめてマンションを購入したときの年齢についても調べられていて、35〜44歳で購入した人が全体の44.0%を占めていました。45〜49歳で購入した人も17.2%いて、30代後半〜40代で購入に踏み切った人が多いことがわかります。
独身でマンションを購入する3つのメリット

「独身なら賃貸でも良い」という考え方もありますが、独身でマンションを購入するメリットはいくつもあります。今回はそのなかでも、マンションを購入した理由としてよく挙げられる3つを紹介します。
■独身でマンションを購入する3つのメリット
- 家賃と同程度の負担で自分の資産にできる
- 老後の住まいを確保できる
- セキュリティなどの設備が充実している
自分にとってマンション購入にどれくらいのメリットがあるかどうか考えてみてくださいね。
1.家賃と同程度の負担で自分の資産にできる
賃貸だと、家賃として支払ったお金は部屋の使用料として手元からなくなるだけですよね。しかしマンションを購入して毎月の負担額が変わらない形でローンを返済していけば、自分の生活を維持しながら不動産資産も手に入れることができます。
この点に魅力を感じて「賃貸に住み続けるよりも早めに買ったほうが良い」とマンション購入に踏み切る人が多いです。
2.老後の住まいを確保できる

独身の人のなかには、このまま高齢になるまで賃貸暮らしを続けるリスクを考えてマンション購入を決断する人も少なくありません。
■高齢になったときの賃貸暮らしのリスク
- オーナーから部屋の契約更新を断られる
- 入居審査が通りにくくなる
- リタイア後に家賃の支払いが生活費を圧迫する
- エレベーターなどの設備が不十分な場合、病気になったときや介護が必要になったときに住み続けにくい
老後の住まいとしてマンションを購入しておけば、上記のような将来の心配をする必要がなくなるので、今の生活をより楽しめるようになります。
3.セキュリティなどの設備が充実している
賃貸マンションと分譲マンションでは、設備の充実度が異なる場合も少なくありません。この点に惹かれてマンション購入を決める独身の人もいます。
■賃貸マンションと分譲マンションの一般的な設備の違い
- 賃貸:短期間の利用が前提でコストパフォーマンス重視であり必要最低限の設備しかないことが多い
- 分譲:資産としての購入・長期的な居住が前提であり共用設備が整っている
特にセキュリティの設備は、分譲マンションのほうが格段に充実していると言えるでしょう。
■賃貸マンションに少ない分譲マンションの設備・セキュリティ
- ダブルオートロック
- 複数台の監視カメラ
- モニター付きインターホン
- 管理人常駐
また、分譲マンションは鉄筋コンクリート造(RC造)など耐久性の高い物件が多いため、災害への備えにつながります。また遮音性能も良いので、隣人の生活音に悩まされる心配もあまりありません。
独身でマンションを購入する3つのデメリット

独身でのマンション購入にはデメリットもあるので、さまざまな可能性を考慮して慎重に判断しなければなりません。特にこれから紹介する3つのデメリットは、長期的な視点で考えたときに大きな問題になりやすいので注意が必要です。
- 簡単に引っ越しができなくなる
- 結婚や出産などのライフスタイルの変化に合わなくなる
- 住宅ローンなどの金銭リスクを一人で抱えなければならない
1.簡単に引っ越しができなくなる
賃貸は以下のようなトラブルや生活上の不都合が生じたときにすぐ引っ越すことができます。しかしマンションを購入した場合は、ローンの支払いがあるためそう簡単に引っ越すわけにはいかなくなります。
■引っ越しが必要になる状況の例
- 転職する場合
- 転勤を命じられた場合
- 物件周辺の治安が悪化した場合
- 建物内で隣人トラブルが発生した場合
そのためマンションを購入する際には、今後のキャリアプランを改めて整理したり、物件周辺の施設や再開発の計画、住人の雰囲気などを調べたりして、まず引っ越しが必要になるケースを避けるようにしましょう。
2.結婚や出産などのライフステージの変化に合わなくなる

独身でのマンション購入で特に考慮しておかなければならないのが、結婚や出産などライフステージが変わる可能性です。一生独身でいると思って一人暮らし用のマンションを購入したのに良い出会いがあって結婚することになった、というケースはめずらしくありません。
■ライフステージの変化で発生する問題
- 結婚した場合:大人2人で住むと狭く感じる、相手の職場から離れていて住みにくいなど
- 出産した場合:子供用の部屋がない、子育てしやすいエリアに住みたくなるなど
そのため、独身でマンションを購入するなら、ライフステージが変化しても売却したり賃貸として貸し出せたりする物件を選ぶことが大切です。
3.住宅ローンなどの金銭リスクを一人で抱えなければならない
マンションは非常に高額な買い物であり、以下のような状況に陥るとローン返済が難しくなって金銭的に厳しい状態になる可能性もあります。
■ローンの支払いが難しくなるケース
- 病気や怪我で働けなくなった
- 雇い止めに遭った
- 転職で収入が激減した
- 金利が上昇して返済額が増えた
また、マンションを購入すると、将来的なマンションの大規模修繕に向けて毎月費用を積み立てる「修繕積立金」や不動産に対する「固定資産税」などの支払いも発生します。
独身でマンションを購入する場合は、自分だけでこれらのリスクや支払いに備えなければなりません。これが賃貸のときと比べて精神的な負担になることがあります。
独身でマンションを購入するならどんな物件が良い?

どのようなマンションを購入したら良いのか迷いますよね。特に「価格」「間取り」はマンション購入を検討するうえで大きな判断材料になる要素です。
ここからは、独身でマンションを購入するならどのような価格・間取りの物件が良いのか、目安となる考え方を紹介します。
■独身でマンションを購入する場合の物件
- 購入価格:年収の5〜7倍程度が相場
- 間取り:1LDK〜2LDKが目安
購入価格:年収の5〜7倍程度が相場
一般的に、マンションの購入価格の相場は年収の5〜7倍程度です。現金一括でない限りマンションは住宅ローンを組んで購入することになりますが、多くの人が年収の5〜7倍程度の借入をしています。
■マンション購入価格の相場
- 年収300万円:1,500〜2,000万円
- 年収400万円:2,000〜2,800万円
- 年収500万円:3,500〜4,000万円
もちろん、マンション購入価格の一部を最初に支払う「頭金」を多く用意できれば、上記の相場よりも高いマンションを購入することも可能です。
間取り:1LDK〜2LDKが目安
一人暮らしの場合、居室と寝室を分けられる「1LDK」であれば問題なく暮らせます。単身者が住みやすい駅近や都市部にある1LDKマンションも少なくないので、利便性の面でも満足できる物件を探すことができますよ。
■1LDKが向いている人
- 居室と寝室を分けられたら十分と考える人
- なるべく返済負担の少ない金額でローンを組みたい場合
- 利便性が高い駅近や都市部に住みたい場合
しかし、部屋で過ごす時間が長い人や来客が多い人などは、居室・寝室以外にもう一部屋確保できる「2LDK」を購入するケースもあります。
■2LDKが向いている人
- 家でリモートワークをする
- 趣味の部屋を作りたい
- 来客が頻繁にある
間取りを選ぶときは、自分が今住んでいる物件の間取りや、マンションを購入した後に送りたいライフスタイルなどを総合的に考えることが大切ですよ。
後悔しないために! 独身のマンション購入で気をつけたいこと

マンション購入は人生のなかでも特に大きな買い物になります。特に独身の場合はこれから家族構成が変わる可能性やローンの支払いに関するリスクなど、事前によく考えて慎重に判断しなければ後悔につながってしまうというケースも少なくありません。
ここからは、独身のマンション購入で特に気をつけたい2つのポイントを解説します。
■独身のマンション購入で気をつけたいこと
- 住居費が支出全体の3割程度に収まるよう無理のない返済計画を立てる
- 将来的に売却や貸出をすることも考えて資産性の高い物件を選ぶ
住居費が支出全体の3割程度に収まるよう無理のない返済計画を立てる
「住宅ローンを早く完済したい」と毎月の返済額を無理に大きくしてしまうと、毎月の生活が苦しくなり「買わなければ良かった」と後悔する可能性が高まってしまいます。そのため、住宅ローンの返済額が生活費を圧迫しない程度の返済計画を立てましょう。
マンションを購入すると管理費や修繕積立金など住宅ローン返済以外の費用もかかるので、それらを含めた「住居費」が毎月の支出全体の3割程度に収まるのが理想的です。
■住居費に含まれるもの
- 住宅ローン返済額
- 管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税・都市計画税
たとえば毎月の生活費が20万円なら、そのうち6万円程度を住居費にあてるというイメージですね。
将来的に売却や貸出をすることも考えて資産性の高い物件を選ぶ
独身でマンションを購入する場合、今後ライフステージの変化で引っ越す可能性も十分あります。一生住み続けるつもりで買うというよりも、将来的に物件を売却したり賃貸として貸し出したりする前提でいると、人生設計に幅を持たせることができるので安心ですよ。
そのため物件を選ぶときは、自分が住みたいかどうかだけでなく「資産性が高いか」も重視して吟味しましょう。
■資産性の高い物件
- 専有面積が50㎡以上(原則50㎡以上以上が住宅ローン控除の対象になる)
- 駅近・都市部にある
- 近隣の施設が充実している(商業施設・医療施設など)
- 周辺地域の治安が良い
- 管理体制が整っている
- セキュリティが充実している
- 耐震性が高い
独身でマンションを購入するなら将来設計も含めて判断しよう
この記事では、独身でマンションを購入するメリット・デメリットや、購入価格・間取りの目安、注意点などを解説しました。マンションを購入すると、賃貸のときよりも自分らしい暮らし方や快適な暮らし方を追求しやすくなります。
購入後の生活を今よりさらに充実させるためにも、購入前は自分の将来設計を含めて判断しましょう。